相続税の配偶者控除が適用される要件と注意点
相続税の配偶者控除とは、配偶者が取得した正味の遺産額が1億6000万円、または法定相続分のいずれか多い金額まで非課税となる非常に強力な制度です。
本記事では、相続税の配偶者控除の適用要件と注意点について解説します。
相続税の配偶者控除の適用要件
相続税の配偶者控除を受けるためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
◾️戸籍上の配偶者であること
婚姻期間の長短は問われませんが、内縁関係の人は対象外となります。
◾️相続税の申告期限までに遺産分割が完了していること
原則として、誰がどの財産を取得するか確定している必要があります。
◾️隠蔽または仮装された財産でないこと
正当に申告された財産が対象となります。
相続税の配偶者控除の注意点
相続税の配偶者控除を利用する際は、以下の点に注意する必要があります。
二次相続での税負担が増える場合がある
配偶者控除を活用して配偶者が多くの財産を相続すると、二次相続において、子供たちの税負担が急増する可能性があります。
二次相続では、最初の相続の際よりも法定相続人の数が少なくとも1人減るため、基礎控除額が少なくなります。
また、配偶者がもともと所有していた財産に一次相続で引き継いだ財産が加算されるため、税額が高くなりやすい傾向にあります。
一次相続と二次相続を合計したトータルの納税額をシミュレーションし、適切な分割割合を検討することが求められます。
相続税が0円でも申告が必要
配偶者控除を適用した結果、相続税の納税額が0円になったとしても、税務署へ相続税の申告書を提出しなければなりません。
申告期限までに手続きを行わなかった場合、配偶者控除の適用そのものが認められなくなる恐れもあります。
納税額にかかわらず、期限内に正確な申告手続きを完了させるよう意識しましょう。
まとめ
相続税の配偶者控除は、残された配偶者の生活を守るための重要な制度ですが、分割の仕方や相続税申告の有無には注意が必要です。
二次相続まで見据えた資産形成や、税務調査のリスクを回避する正確な申告が、円滑な資産承継において重要です。
自身の状況にあった分割案を知りたい際や、将来的な税負担を抑えたい場合は、相続の実務実績が豊富な税理士へ相談することをおすすめします。
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横山 典久(よこやま のりひさ)/ 名古屋税理士会名古屋中支部

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